
VTIって何?

VTIは世界3大資産運用会社の1つであるVanguard社が手がける米国ETFです。
米国企業3500社以上に分散投資できるので、一言でいうとアメリカをまるごと買うことができるETFですね。

アメリカを丸ごと!?
それはさぞかしコストが高そうだな…。

世界のVanguard社が手がけるだけあって、VTIの経費率は0.03%と非常に低コストです。

それはすごい。

VTIは長期で資産形成を考える多くの人にオススメできる投資先の一つだと思います。
今回はVTIについて詳しく紹介していきます。
VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)とは?
VTIは米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーしたETFです。
構成銘柄はアメリカの大型株から小型株まで含めて実に3500社を超えます。
運用は世界3大資産運用会社の一つであるVanguard社が行っています。
VTIの基本的な情報をまとめると次のようになります。
シンボル | VTI |
運用会社 | Vanguard |
構成銘柄数 | 3529社 |
経費率(年率) | 0.030% |
ETF純資産総額 | 1531.9億ドル |
設定日 | 2001年5月24日 |
※2020年9月時点(Vanguard公式HPを元に作成)
VTIの配当日はいつ?権利落ち日は?
VTIは3月・6月・9月・12月の一年間に四回、配当金(分配金)がでます。
VTIの最近の配当日と権利落ち日をまとめるとコチラのようになります。
権利落ち日 | 配当支払開始日 | |
2020年9月 | 2020年9月25日 | 2020年9月30日 |
2020年6月 | 2020年6月25日 | 2020年6月30日 |
2020年3月 | 2020年3月26日 | 2020年3月31日 |
2019年12月 | 2019年12月24日 | 2019年12月30日 |
2019年9月 | 2019年9月16日 | 2019年9月19日 |
2019年6月 | 2019年6月17日 | 2019年6月20日 |
2019年3月 | 2019年3月25日 | 2019年3月28日 |

配当日を眺めるとなんとなく月末が多そうだな。

そうですね。配当の権利を得るためには、権利落ち日の前日から遡って4営業日前には株を購入しておく必要があります。
VTIの配当(分配金)推移と配当利回りは?
現在のVTIの配当(分配金)利回りは約1.6%です。(2020年9月現在)
過去10年の配当推移をグラフにすると次のようになります。
これを1年ごとにまとめるとこちら。

配当利回りは1%代で高配当ETFに比べると低いけど、配当実績は綺麗な右肩上がりだな。
VTIの直近の株価推移
VTIの直近一年間の株価推移は以下のようになります。

既に3月の暴落前まで戻ってるんだな。

アメリカ市場はハイテクの躍進もあって、実体経済とは裏腹に続伸を続けていますね。
VTIの設定来の株価推移
VTIの設定来の株価推移をグラフにするとコチラになります。

ここ20年は綺麗な右肩あがりだな。

アメリカ経済は歴史的な暴落を何度も経験しながらもその度に乗り越えて堅調な成長を続けています。
VTIの組み入れ上位の銘柄
VTIの構成銘柄のうち、上位20位を抜き出すと次のようになります。
シンボル | 銘柄 | 構成比率 [%] |
AAPL | Apple Inc. | 5.13 |
MSFT | Microsoft Corp. | 4.81 |
AMZN | Amazon.com Inc. | 4.15 |
FB | Facebook Inc. Class A | 1.89 |
GOOGL | Alphabet Inc. Class A | 1.38 |
GOOG | Alphabet Inc. Class C | 1.31 |
JNJ | Johnson & Johnson | 1.19 |
BRK.B | Berkshire Hathaway Inc. Class B | 1.11 |
PG | Procter & Gamble Co. | 1.01 |
V | Visa Inc. Class A | 0.99 |
UNH | UnitedHealth Group Inc. | 0.89 |
HD | Home Depot Inc. | 0.88 |
MA | Mastercard Inc. Class A | 0.85 |
JPM | JPMorgan Chase & Co. | 0.85 |
NVDA | NVIDIA Corp. | 0.77 |
VZ | Verizon Communications Inc. | 0.74 |
PYPL | PayPal Holdings Inc. | 0.71 |
NFLX | Netflix Inc. | 0.67 |
ADBE | Adobe Inc. | 0.66 |
PFE | Pfizer Inc. | 0.66 |
※2020年9月時点(Vanguard公式HPを元に作成)

聞いたことある企業名ばかりが並んでるな。
Appleが全体の5%も占めるのか。

ハイテクが躍進する米国市場の現状をそのまま表していますね。
VTIのセクター比率
VTIのセクター比率をグラフにまとめると次のようになります。
※2020年9月時点(Vanguard公式HPを元に作成)

いまの米国企業全体の比率はテクノロジー、金融、消費サービスで半分以上を占めているんだな。
VTIのメリット
ここまでVTIの基本情報を見てきましたが、VTIの大きなメリットは次の2点だと思います。
- 米国のほぼ全ての企業に分散投資が可能
- 経費率0.03%と非常に低コスト

3500社を超える企業にまとめて投資できてこの経費率は驚異的です。
VTIのデメリット
VTIのデメリットとしては次のようなことが挙げられます。
- 広く分散された投資なので爆発的な値上りは見込めない
- 配当はそこまで高くないので高配当投資には向かない

まぁ、広くリスク分散すると爆発的な値上がりは期待できないよな。
VTIの上手な買い方
VTIは米国市場全体に分散されたETFなので、長期の積立投資に適した商品と言えます。
長い目で見てアメリカは右肩上がりの経済成長を遂げています。
今後も株価の凸凹はあれど長い目で見れば右肩上がりに成長していくことが予想されます。
したがってVTIのようにアメリカ全体に連動する商品を少しずつ積み立てていくというのは、手堅い資産形成の方法だと思います。
VTIはドルコスト平均法で毎月積み立てるようなコツコツ系の投資法と相性ピッタリです。

VTIはどこで買える?おすすめの証券会社
VTIは楽天証券やSBI証券など大手のネット証券で簡単に購入することができます。
楽天証券は使い易いインターフェースで画面の見易さや操作性は圧倒的に優れているので、初心者におすすめの証券会社です。
一方、SBI証券は住信SBIネット銀行と組み合わせることで、米ドルを手数料最安で調達することができます。
米国市場に投資を考えているのであれば、どちらの証券口座も開設しておいて損はありません。
また、楽天証券には「楽天VTI」という投資信託の商品があります。
楽天VTIは円建でVTIに間接的に投資できる投資信託で、積立NISAやiDECOなどの長期を見据えた積立銘柄として人気を集めています。
VTIのまとめ|アメリカ中の企業に広く分散投資が可能
VTIは米国の3500社を超える企業に広く分散投資ができるETFであり、経費率は0.03%と非常に低コストです。
低コストであることは長期の積立投資において強い味方。
ただし、米国ETFならではの問題として配当にかかる二重課税の問題や分配金を再投資するために多少の手間はかかります。
最近では楽天VTIなどの投資信託も信託報酬が低コストになってきており再投資の手間もかからないため、ETFではなく投資信託を積み立てるのも一つの選択肢かと思います。
VTI、楽天VTI、いずれもアメリカに広く分散投資するものなので、一気に資産を爆増させたい人には向きませんが、資産を着実に増やしていきたい人にとっては魅力的な投資先です。
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